車や様々な製品に性能表示があるように、住宅にも性能表示があってしかるべきではないでしょうか。
高性能という言葉の中には様々な要素がありますが、高性能住宅という場合には、高断熱・高気密・計画換気・全室冷暖房という居住性に係わるものと、高耐久性能・高耐震性能など、構造に係わるもの、そして両者のバランスの良さという事になります。
単に断熱材の量が多いとか、木材の使用量が多いからと云って、住み心地が良くなるわけでも住宅の強度が増すわけでもありません。
科学的に計算された素材や換気装置などの機器類のトータルパフォーマンスの良さが、住宅の強度を保証し、住み心地の良い環境を作り出すことが出来るのです。
九州住環境研究会の「ハイブリッド・エコ・ハートQ」は理想水準に最も近い住宅です。
住宅ランク表は、おもにカナダのR-2000住宅の性能をもとに作成された感覚値による住宅性能の目安となる図表です。 感覚値といっても北海道や東北などで実測されたデータを基に作成されていますからいい加減なものではありません。
住宅の性能については、個人的な感覚の差がありますから、一概にどのような住宅が高性能かは判定しにくいところもありますが、 第一に上下温度差が少ないこと。省エネルギーで一定の快適な温度が保てること。結露が発生しないことなどが重要なポイントとなります。
AランクとBランクの居住快適体感温度の違いに着目して下さい。
Aランク住宅の方がBランク住宅よりも温度が低いことに気づかれることでしょう。
これは、Aランク住宅が全室暖房で住宅内に温度差が無い状態を想定しています。
このことは住まい方とも関連してきますが、私たちが一般的に最も過ごしやすいと感じる五月の晴れ上がった状態の気温がだいたい18度前後なのです。
それと住宅内の物体からは、遠赤外線が放出されているという事を以前に解説しましたが、
この様な熱と輻射熱を加味すると18度前後が最も過ごしやすく、20度では少し暑すぎるからです。
高断熱・高気密住宅が導入された当初は、住宅の中で裸でいても大丈夫だとか、 高断熱住宅は冬の方がビールがうまいとか、アイスクリームが食べたくなるとか、 この様な住宅は、過暖房の住宅で本当の高性能住宅とは程遠いのです。 つまり冬暑くて肌着姿で過ごさなければならない住宅は、暖房してわざわざ冬に熱帯夜を造り上げているようなものだからです。 この様な住宅は高性能住宅とはいえないのです。
カナダや北欧の住宅は高断熱・高気密、全室暖房が常識で、取得したエネルギーを最大限に活用して、 省エネで五月の気候を実現します。五月の爽やかな日には、カーディガンを羽織るだけで充分に快適です。 真冬でもカーディガンや薄手のセーター姿で過ごせる住宅、それこそが本物の高断熱・高気密の高性能住宅なのです。 勿論、九州住環境研究会の「ハイブリッド・エコ・ハートQ」が目指す目標は、この様なAランク住宅です。