阪神大震災以来、住宅の耐震性が大きくクローズアップされてきましたが九州住環境研究会では、 予測が不可能でいつ起こるか分からない大地震を見据えて、早くから住宅の高耐震性能を追求してきました。 それは構造柱材の太さを通常よりも太くしたり、構造材を構造用集成材や人工乾燥材にして強度を均一化し、 木材の狂いを最小限にするなど、柱や構造材の強度をを高め、耐震性の向上を図っています。
耐震性において、最も重要な部分は建築地盤です。 躯体や基礎がいかに丈夫でも肝心の地盤が弱いと住宅は瞬く間に不同沈下してしまいます。 「ハイブリッド・エコ・ハートQ」は、着工前に地盤の強度を把握し、地耐力の確保を行っています。
地震や台風などの自然災害に対し、耐力を要求される壁量は、「壁の長さ×倍率」で求め、
各階ごとに必要な壁量より、大きいかどうかで判定します。
床面積に一定の定数値(右表参照)を掛けた数値が必要壁量となります。
また、風圧力と外壁面積からも必要壁量が算出され、いずれか多い方の壁量を確保しなければ成りません。
平屋建て | 2階建て | 3階建て | ||||
1階 | 2階 | 1階 | 2階 | 3階 | ||
屋根を金属板、石綿の 軽い材料で葺いた建築物 |
11 | 29 | 15 | 46 | 34 | 18 |
その他の建築物・重量の 大きい建築物 |
15 | 33 | 21 | 50 | 39 | 24 |
(単位:cm/m²)
建築基準法施工令第46条によって必要壁量が定められています。壁倍率とは、 建物の構造の強さとなる耐力壁の強度(倍率)のことで、せん断変形角1/120ラジアン時の水平荷重の大きさを基本として、 強度の安全率、粘り強さの確保、内面せん断力試験による実験結果から、総合的に判断されます。
「ハイブリッド・エコ・ハートQ」の断熱壁パネルは、構造用合板を面材として採用しており、 2.5倍の壁倍率で連続して配置されており、建物全から均一な強度が得られます。
壁率の検討方法に適用させるために、壁倍率は、水平長1m当たりの耐力が130kgの場合を 1.0と定義されています。耐力壁の構造や種類により最大倍率5.0まで認められています。
種類 | 材料 | 厚さ 最低限 |
倍率 | |
---|---|---|---|---|
面材を 釘打ち した 壁を 設けた 軸組 |
(1)JAS構造用合板 | 屋外壁などで耐候措置のないもの | 7.5 | 2.5 |
その他の屋外壁等 | 5 | |||
その他 | 5 | |||
(2)パーティクルボード | 12 | 2.5 | ||
(3)ハードボード | 5 | 2.0 | ||
(4)硬質木片セメント板 | 12 | |||
(5)フレキシブル板 | 6 | 2.0 | ||
(6)石綿パーライト板 | 12 | |||
(7)石綿けい酸カルシウム板 | 8 | |||
(8)炭酸マグネシウム板 | 12 | |||
(9)パルプセメント板 | 8 | 1.5 | ||
(10)石膏ボード(屋内壁) | 12 | 1.0 | ||
筋かいに よるもの |
(11)厚さ1.5cm×幅9cmの木材 | - | 1.0 (たすき掛のとき2.0) |
|
(12)径9cmの鉄筋 | ||||
(13)厚さ3cm×幅9cmの木材 | - | 1.5 (たすき掛のとき3.0) |
||
(14)厚さ4.5cm×幅9cmの木材 | - | 2.0 (たすき掛のとき4.0) |
||
(15)9cm角の木材 | - | 3.0 (たすき掛のとき5.0) |
壁強度は、タイロッドによる、せん断変形角1/300(rad.)時の水平荷重試験によって計られます。
耐力壁の倍率1.0当たりの許容水平力は130kg/mです。
ハイブリッド・エコ・ハートQは、構造用合板等に示される強度から理論値として壁倍率4.23倍の数値が求められます。
高強度を誇る床パネルもまた「ハイブリッド・エコ・ハートQ」の強度を支える大きな力です。 在来工法の許容基準とと比較すると約2倍弱の曲げ強度があります。 圧縮強度は、0.11mmに400kgf・m²まで絶えることができ、 特別な補強無しでグランドピアノを設置することも可能です。 「ハイブリッド・エコ・ハートQ」は、構造材を多量に使用する独自の在来軸組工法よる構造躯体の強さと それを支える基礎・土台、鋼製束、床パネルの相乗的な効果で圧倒的な強度と耐久性能を生み出しているのです。