体感温度が室温に近い快適な空間は高性能住宅の証です。
低温暖房の省エネ住宅
昔の暖房は石油ストーブ等で汗が出るほど暖房していました。現在でも20年以上前に建てられた住宅は、同じような暖房をしていると思われます。これは放射熱(輻射熱)暖房で、まだまだ放射熱(輻射熱)暖房は暖かいと思っている方も多いのですが、これが結露の原因でした。この様な住宅はエアコン暖冷房など夢のまた夢です。【ハイブリッド・エコ・ハートQ】はエアコン1台程度で暖冷房が可能と言っても信じられないと思いますが、高性能住宅は高温暖房を必要としないので結露もなく省エネで快適に暮らせるのです
熱を逃がさないのですから、換気が気になるのはうなずけますが換気装置の選択で全く問題はありません。【ハイブリッド・エコ・ハートQ】では、スウェーデン製の第3種換気を標準にしています。
【ハイブリッド・エコ・ハートQ】は放射(輻射)暖房の概念から抜け出した高断熱工法です。断熱性能を高めるためには断熱材の量を多く施工すれば良いというものではなく、量の多い断熱材の施工は逆に結露を引き起こす原因になったり、換気不良など様々な欠陥の原因を作り出します。特に断熱性能を上げる場合に問題となるのは、気密性能も同時に上げなければならないと言うことです。断熱と気密の施工バランス、換気装置の選択など高断熱住宅を施工するためには、バランスが取れた高度な施工技術が必要になります。
体感温度とは、自分が体で感じている温度のことを言います。体感温度は周囲の放射(輻射)熱によって左右され、寒暖計の温度が20℃でも壁の表面温度が10℃の場合は、体感温度は15℃にしか感じられません。暖房して空気の温度を上昇させても、断熱性能が悪いと壁や床・天井は外気の影響を受けて低温になっていて、壁や床・天井から室内の熱が外部に流れ続けます。断熱材はその熱の流れを遮断する為に施工されます。
以前は高温の暖房で壁や床・天井を暖め、熱を蓄積させた壁や床・天井からの放射熱で快適性を求めてきました。従って壁・床・天井を暖める為の高温の暖房が必要だったので暖房経費がかさみましたが、壁・床・天井の断熱性能を高めていくと不快な冷放射(冷輻射)を感じない段階に達し、寒暖計の温度と差が無い体感温度が実現します。
この段階まで断熱性能を高めた住宅が高断熱住宅です。従って20℃の温度設定ならばエアコンで20℃+αの低温暖房で快適な温度環境が可能になります。
この様な住宅では人体や照明、家電、キッチンの熱も蓄積され無暖房住宅も可能になります。
【ハイブリッド・エコ・ハートQ】は、九州住環境研究会(松下孝建設)が開発した高断熱・高気密工法です。今までは住宅工法は北から学ぶものと言われてきましたが、温暖化が進む現代では南九州の期間蒸暑地域の住宅工法が注目されるようになって参りました。それは暑さ対策と寒さ対策の工法バランスも良く、南九州の通風などを活用する伝統的なパッシブ※工法が温暖化対策として非常に優れていることも認識されるようになり、いま【ハイブリッド・エコ・ハートQ】は全国的に注目されています。
●UA値(外皮平均熱貫流率)とは、住宅の内部から床、外壁、屋根(天井)や開口部などから外部へ逃げる熱量を外皮全体で平均した値です。熱損失の合計を外皮等面積で除した値で、値が小さいほど熱が逃げにくく省エネルギー性能が高いことを示します。
●μ値(夏期日射取得係数)とは、夏の住宅に侵入する日射量を示すもので数値が小さい程、日射の影響が少なく冷房効率が高くなります。
※C値(相当隙間面積)について2009年4月1日の改正省エネルギー法から、表示義務がなくなりました。
省エネルギー基準は、一次エネルギー消費量を指標とした建物全体の省エネルギー性能を評価する基準に改正されました。「一次エネルギー」とは石油,石炭,天然ガス,水力,原子力など自然の中に存在する状態で,利用できるエネルギーの事で、この一次エネルギーを電気やガソリン,ガスの形に転換したものを「二次エネルギー」といいます。これらのエネルギーは異なる単位で使用されていますが、その単位を(MJ・GJ)に一本化して「一次エネルギー消費量」に換算することで建物の総エネルギー消費量を求めることが出来ます。
計算は(独)建築研究所が提供する計算ソフトで計算しますが、上表の「住宅事業主の判断基準」に示した各「一次エネルギー消費量」は地域区分の参考数字として示しました。住宅の省エネルギー基準は、この様な綿密な計算で出来ています。
住宅から逃げる熱の量から、住宅の外皮全体の断熱性能を評価する基準に変更になりました。
夏期における日射の入りやすさをあらわします。μ値が小さいほど、日射が入りづらく、冷房効率が高くなります。
※建物に侵入する日射量:部位ごとに侵入する日射量の総和
各部位から侵入する日射量は下表の計算式より求めます。開口、外壁は部位の方位に応じた方位係数(ν)を乗じます。