2018年1月29日更新
今までの住宅建築のあり方は土地の値上がりを期待した不動産取得が大きな要素になっていました。
土地を取得し、住宅を建てさえすれば、人生最大の買い物をした満足感と共に、子供達にも土地という資産を残してやれたという、達成感も得られる人生のゴールテープを切った、至福の瞬間だったのです。
ところが、高度経済成長時に建てられた、その様な住宅は、ことごとく「空き家」になってしまい問題化しています。土地に価値があった時代には、土地があるだけで子供達は親の土地を金融資産として活用出来ましたが、現代のように人口が減少し、土地の価値がなくなってしまうと、親の住宅という資産を引き継ぐことは、マイナスの資産を引き継ぐ事にしかならない時代になっているのです。
その地域の一等地に空き家が目立つのは、それだけ、資産価値の高い『土地』を親が残したと言うことなのに、今では重荷になっているという、悲しい現実が「放置住宅」なのです。
私達のライフサイクルを考えた場合、就職や転勤、結婚、子育て、子供の独立、親の介護、定年退職など、住宅を考えなければならない状況は実に多く、同じ住まいに住まい続けることにこだわるよりも、状況に応じたリアルタイムで適切な住まいの選択が必要になってきます。
今までなら、状況に機敏に対応する為、賃貸の方が有利でした、状況の変化に応じて都合の良い住宅に住み替えていくという利便性は、賃貸ならではの自由度だったからです。仕事をしている間は住宅の購入は必要無い。住宅は退職金で建てるもの。それが今までの「土地遺産が高かった時代」の一般的な考え方だったわけです。
土地価格の値上がりが期待出来なくなった現在では、質の高い住宅を取得し、家をストックとして活用出来ることが重要になります。
『住宅は借りるよりも買った方が有利だ』という条件が、我が国でもようやく、揃い始めています。それは日本人の寿命が戦後以降、20年以上も伸び続け世界一の長寿国になったからです。
賃貸アパートならば、20年分余分に賃貸料金を支払うことになります。仮に家賃を10万円と想定した場合、便宜上、家賃は据え置きとして考えた場合も、年間120万円、10年間で1200万円、20年間で2400万円の家賃を寿命が延びた分、支払わなければならないと言うことになります。
その前の現役時代の家賃が40年間として、平均5万円と想定しても2400万円で合計4800万円もの家賃を支払う事になります。住宅を建てると言うことは、建てた時点で「一生分の家賃を前払いしたのと同じ事です。
幾ら長生きをしても、家賃のように支払いで、老後資金を削る必要もありません。
住宅が手狭になって、中古住宅の買い換えや新築を検討する場合も、金融力が高い住宅なら現在の高性能住宅を売って、資金にすることも可能です。
現在のようにローン金利が低い場合は、借りるよりも建てた方が有利になります。
一般的に戸建て住宅の場合、資産価値は20年でゼロになります。この状態で35年ローンを組んだ人が、20年後に住宅を売ろうとしても、土地の売却益程度にしかなりません。これが左表の空き家率、所謂『放置住宅』13・5%の大きな原因です。
少なくとも住宅は、最低限の建て方として「フラット35」の建築要件を満たすレベルで建てられなければなりませんが、このレベルでも「金融力」が高い住宅とはいえません。
現在の「省エネルギー基準」最高等級4でも充分とはいえません。このレベルの住宅は、2020年の「省エネルギー基準』義務化になると、性能不良の住宅と認定され兼ねません。
確実に性能が足りないのは事実だからです。
1981年に耐震基準が変更になりましたが、それ以前の住宅の扱いを耐震性において「既存不適格」と認定し、新基準住宅と差別しました。
現在でも「既存不適格」住宅の名残は「地震保険」に残っていて1981年以降に建てられた住宅は10%の割引と表記されています。いま新築した住宅が新築2年後には「断熱性能の既存不適格住宅」と認定されたら、住宅の資産価値は一気に低下してしまうのではないでしょうか?それを回避するためには、数値の裏付けのある高性能住宅を建てなければなりません。
現在、住宅建築をご検討中ならば、2020年基準でも問題のない高性能住宅について、松下孝建設にお問い合わせ下さい。