九州住環境研究会

No.72 「スマートV2H」エネルギー革命!
太陽光発電と自動車、住宅を繋ぐ、新エネルギーシステム新時代の到来!
電力連結インバターが地球温暖化、大気汚染、その全てを解決する。

2016年1月4日更新


クルマから住宅へ給電燃料・電力自給の時代

日本発のイノベーション(経済改革の一因となる技術革新)として、EV(電気自動車)・PHEV(プラグインハイブリッド)、更に水素を燃料とするFVC(燃料自動車)が実用化され、家庭燃料と自動車燃料の共有が始まっています。現在は、太陽光発電もPHEV・EV関連自動車もFVCも高額で補助金頼りになっていますが、将来、太陽光発電が設置できる屋根環境や配線、特に重要なのは、言うまでもなく住宅の性能を高性能にしておくことが必要になってきました。新築と同時に設置しなくても、少なくとも10年後の未来を創造的に考えておくことが必要です。
例えば、三菱自動車「iMiVE」と太陽光発電+「スマートV2H」(図1)を紹介します。この図のように、これからは、住宅と自動車との共存関係は、切り放して考えられなくなります。EV(電気自動車)と太陽光発電システム、電力会社からの買電(系統電力)の3種の電力の同時使用を可能にするのが「スマートV2H」コンディショナーです。まだ汎用性が少ないので価格的に高額で、国の補助対象になっていますが、このような関係でこれからの自動車と住宅、太陽光発電によるエネルギー自製化がより一般化します。「スマートV2H」は、太陽光発電での発電量が少ない時も、EVで夜間に充電した深夜電力を活用できるので、トータルの電気料金を減らすことができます。万一、自然災害などで停電が長引いた場合も、昼間は太陽光発電システムの発電電力で家庭への電力供給とEVへの充電を行うことができ、夜間はEVに蓄えた電力を使うことができます。

EVへの充電用プラグ装備のスマートハウス

EVに太陽光発電の電力を充電すれば、クリーンエネルギーだけで完結できる、究極のエコカーともいえますが、EVの可能性は「移動手段」だけではありません。EVのリチウムイオン電池に貯めた電力をクルマから家庭へ供給することもできます。このように「EVから家へ」給電する為に必要な装置が、「スマートV2H」パワーコンディショナーです。住宅と車の間で電力のやりとりが可能になることで、EVは自動車という移動手段から、家庭の電源を守る蓄電池にもなるのです。さらに、この装置には、充電や給電のタイマー設定、給電時のバッテリー残量率設定など、さまざまな機能がついています。

PHEV対応のV2Hシステム

HVは、内燃機関で発電した電力を電池に蓄えて、モーターを内燃機関の補助と割り切り、航続距離は長いものの一般的なガソリン車に近い性質の自動車でした。EV(電気自動車)HVの双方の利点を取り込むため、バッテリーを多く積むことでエネルギー効率と航続距離の延長を両立させたのが、PHEV(プラグイン・ハイブリッド)です。PHEVの最大の利点は、家庭用コンセントなどから、夜間電力などでバッテリーに充電し、モーターのみの走行距離を延ばしている点です。主要動力はモーターで、エンジンは発電機と位置づけ、バッテリーの電力不足時や長距離走行時のみエンジン走行します。PHEVの場合、近距離のドライブでは、ガソリン補給の必要はありません。電気走行の車は、寿命が長く修理費用もガソリン車とは、比較にならないほど安くなります。

「スマートV2H」が可能にする電力自活

「スマートV2H」は、日産「リーフ」や三菱「MiEV」などのEVのみに対応してきましたが、PHEV(プラグイン・ハイブリッド)の本格的な登場で「住宅+電力+PHEV(クルマ)」の3系統を連系するスマートハウスを可能にしました。最大のメリットは電池容量で、大型の定置型蓄電池の容量は5~7kWhが一般的なのに対し、PHEVは12kWh、小型車のiMiEVでも10.5kWhや16kWhといった大容量です。出力性能も一般の定置型蓄電池の供給能力は、2kW程度と限られていますが、V2Hの場合、6kWとなるので、定置型蓄電池と比較して3倍もの出力で、日常的な普通の生活が可能になります。

最終段階が水素発電と水素自動車

トヨタFCV(燃料電池自動車)車)「ミライ」によって水素社会の幕が切って落とされました。パナソニックはいち早く、太陽光発電の替わりに太陽光から触媒により直接水素を発生する装置の開発を宣言し、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共に共同研究を開始して2020年までに技術的なめどを付けることを目指しています。
今までは、燃料電池の「エネファーム」のように天然ガスを水素に転換したり、電気分解で水素を作り、燃料電池で電気を取り出す、という方式でしたが、太陽光から直接、水素が作り出せれば、屋根から直接『エネファーム』に水素を繋ぐことも可能になります。さらに蓄電池は放電という現象がありますが、水素としてため込むことが出来ればプロパン等のように簡単に蓄積でき、水素エネルギーが灯油のように扱いやすくなります。

絶対にガラパゴス技術にしてはいけない!

水素技術は殆ど日本発の技術です。燃料として石油が必要無い技術ですから、世界の産油国からは、歓迎されない技術です。携帯電話等は、先端技術過ぎてガラパゴス化してしまいましたが、V2Hから水素技術にいたる国産技術は、革命的な技術で、温暖化を解消する切り札になります。現在、最も発展途上国に必要な、環境技術でもありますが、米・ロを含む産油国には、非常に困った技術です。私達は、心してこの技術をガラパゴス化させない必要があるのです。人類の未来のために普及させなければなりません。