2014年03月11日更新
我が国のエネルギーを司る資源エネルギー庁の「エネルギー白書2013」が公表されています。その中には、家庭用エネルギーが1960年代以降、世帯当たり消費量は2011年までの間に2.2倍に増えている実態が明らかになっています。
50年以前と比較するとライフスタイルが変化し、住宅の中には三種の神器といわれた冷蔵庫や洗濯機、テレビは勿論、電子レンジやエアコン、オーブン、食洗機、掃除機、パソコン、ゲーム機など、数えられないほどの家電製品で溢れています。
一度利便性を手に入れてしまった後で、エネルギー消費を削減すると言うことは、非常に苦痛を伴うことです。
家庭で使用されるエネルギーを削減するために、様々な節電器具が開発され、テレビなどは、年間1万円も電気を消費しないように省エネルギーが実現していますが今度は、住宅の個室化でひと部屋に一台の時代になっています。この様に家庭用消費電力が増えていく要因には、住宅の個室化も大きな原因になっているようです。
住宅の個室化は、住宅の断熱・気密性能に大きな原因があります。
住宅性能が悪いと暑さ寒さ対策にも個室冷暖房が必要になってくるため、個室を使用する人数分、冷暖房が必要になります。
これでは、如何に省エネルギーを叫んでもエネルギーは減りません。
50年前の住宅では、リビングの一室に石油やコタツなどの暖房器具があり、そこで家族が全員で暖を取っていました。
テレビもリビングで寝るまでの数時間だけ時間が決められて見るものだったような生活でした。従って、現代よりも省エネルギーで暮らすことが出来たのです。
日本の住宅が個室化してきたのは、高度経済性成長時代に住宅が大きくなった事と受験戦争が始まったことが大きな要因になっているようです。プライバシーや防音対策もありますが、最も大きな要因は個室の寒さ対策で受験勉強中の暖房でした。
現代の高性能住宅は、大きなリビングや吹きぬけを造る住宅が多くなり、特に鹿児島では、昔の天井の高い開放型の住宅が根幹で復活して来ているような印象を受けます。
昔は、冬は寒くていられないような住宅ですが、夏は通風や日射遮蔽で実に快適な住宅です。
知覧などに残る武家屋敷の印象でしょうか、暖房はいろり一箇所、現代の高性能住宅ならばエアコン一台の暖房です。
それで寒さを感じないと言うところが高性能住宅なのですが、それで個室にへばり付く必要もなくなるのですから、凄いと言われる所以です。
個室も普段はオープンにしておくことで、エアコン1台で全館冷暖房が可能ですから抜群の省エネルギー効果が得られるわけです。経験したことがない方は、絶対に信じられない事が住宅のイノベーション(新しい活用)や進化となって実際に起こっているのです。
今までは、省エネルギーといえば、暮らし方を見直すことに主眼が置かれてきました。
いわゆる節電です。確かに節電も重要な要素ではありますが、如何に節電しても住宅の性能が悪ければ、寒さや暑さの不快を我慢することになりますから、子供が風邪を引いたりお年寄りが病気を発症するなど、健康までも犠牲にしなければならないのが節電という省エネルギー活動でした。ここから一歩離れて、住宅そのものを暮らしの場である住まいのあり方として見直すこと。それによってエネルギー消費の削減を目指す省エネルギー住宅という存在を視野に入れなければならない時代になってきたのです。
太陽光発電などの創電設備が安くなるとすぐに勘違いしてしまいます。それは設備を活用して省エネルギーを実現し、あわよくば売電で儲けようという考え方です。確かに悪くはない考え方ですが、エネルギーを造って売電するよりも、先に考えなければならないのは、エネルギー消費が極限まで少なくできる住宅性能です。
大容量の太陽光や創電設備で省エネルギーも売電も可能でしょうが設備は壊れますし、更新が必要です。それに比較して高性能住宅は非常にシンプルな性能です。それをしっかりと実現させて本当に全館、冷暖房がほとんど一台(取り付け数を増やした方が省エネになる場合もあります。)のエアコンで充分間に合う住宅性能を実感してから設備の取り付けを考えても遅くはありません。
松下孝建設は、確かな住宅性能に裏打ちされた、本当に暖冷房エネルギーの削減が可能な住宅性能を目指して、日本一の省エネルギー工法を開発します。