2012年5月23日更新
2012年、7月1日より、再生可能エネルギーの「固定買取制度」が開始されます。今までも買取制度がなかったわけではありませんが、太陽光発電など限られた設備だけが対象になっていました。再生可能エネルギー法とは、太陽光発電や風力、水力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーで発電された電力を一定期間電気事業者が買い取ることを義務づけた法律です。価格設定は表・1の通りですが、この価格は、定期的に見直される事になっています。買取に必要な費用は、家庭や企業などの電気料金によって徴収されるために、この様な設備を導入していない家庭では、標準家庭(夫婦共稼ぎ世帯・月額電気料7000円)で電気料金のアップが100円程度と試算されています。今回の措置は、再生可能エネルギーでの商業発電の新規参入を促すものです。住宅に取り付けられている10kW未満の小規模な太陽光発電に関しては、従来通り余剰発電分を電力会社が買い取ることにし、買取期間も10年のまま据え置かれています。家庭用の買い取り価格は42円ですが、補助金制度を考慮すると48円程度になります。
発電の出力 | 価格(円/KW時) | 期間(時) | |
---|---|---|---|
太陽光 | 10kW未満 | 42.00 | 10 |
10kW以上 | 42.00 | 20 | |
風力 | 10kW未満 | 57.75 | 20 |
10kW以上 | 23.10 | 15 | |
地熱 | 1.5万kW未満 | 42.00 | 15 |
1.5万kW以上 | 27.23 | 15 | |
中小型の 水力 |
2000kW以上、1000kW未満 | 30.45 | 20 |
1000kW以上、13万kW未満 | 25.20 | 20 | |
バイオマス(一般木材) | 25.20 | 20 |
再生可能エネルギーの買取制度と共に「ネット・ゼロ・エネルギー」の補助金制度も開始されました。
具体的には、
1・「住宅事業主の判断基準」の計算方法で標準的な住宅性能が概ねゼロとなるもの。
2・標準的な住宅の一次エネルギー消費量が概ねゼロになると見なす仕様に適合しているもの。
3・学識者により構成される審査委員会によって、1・2と同等以上の省エネ性能を有する住宅として認められたもの。さらに省エネ基準(平成11年基準)に適合する断熱性能を有するもの。平成24年度中に着工するもの。
となっています。この補助金制度は、新築と住宅改修の両方に使用可能です。公募期間が短かったので二次募集も期待できますから、補助金制度応募の希望がある方は、KOハウジングにご相談下さい。
さらに省エネ基準(平成11年基準)に適合する断熱性能を有するもの。平成42年度中に着工するもの。となっています。この補助金制度は、新築と住宅改修の両方に使用可能です。しかしながら平成24年5月11日の公募開始から公募締め切りが6月22日と期間が短くて、応募にはほとんどの施工店が間に合わない状況です。
この公募は、建築棟数50棟未満の工務店が対象で、事業の要件は、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)で概ねゼロになる住宅であることが求められます。公募期間が短かったので二次募集も期待できますので、補助金制度応募の希望がある方は、ご相談下さい。
さらに、2030年の住宅の「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を目指す先導的な施策として、高断熱性能、高性能設備機器と生後機器等を組み合わせて住宅の年間、一次エネルギー消費量がネットで概ねゼロになる住宅(ZEH)を導入する者に補助金を交付する」。支援制度もあります。申込者が常時居住する住宅で、建て売りや賃貸、集合住宅は対象外です。
応募の要件は、
1・「住宅事業主の判断基準」の計算方法で評価対象の住宅の一次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロであること。
2・一定の断熱性能を有すること、新築の場合は(表・2)の熱損失係数Q値以下であることと夏期日射取得係数μ値0.04以下であること。
Ⅰa・Ⅰb | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳa・Ⅳb | Ⅴ | Ⅵ |
---|---|---|---|---|---|
1.4 | 1.9 | 3.7 |
既存住宅の場合は、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が「先進省エネルギーシステム」と認めるシステムを導入する、となっています。補助対象となる費用は、補助事業の実施に必要な空調、換気、給湯、照明器具、機械設置、建築材料等の購入費用です。
太陽光発電、燃料電池、リチウムイオン電池、エネルギー計測装置は補助対象外になります。補助率は、補助対象経費の2分の1以内(ただし、住宅1戸当たりの補助額は350万円を上限とします。)
補助金制度で誤解してはならないのは、満額が保証されるのではなく、あくまでも上限で、一部が保証されると考えた方が宜しいでしょう。 特に350万円が上限となる支援事業の場合は、住宅の高性能設備に補助が付くのであり、太陽光発電などの設備は、対象外です。いずれにしても、この様な補助制度を付けてでも、我が国の住宅行政が住宅の高性能化に向けて大きく梶を切ったということは素晴らしいことです。松下孝建設のこの度の宇宿展示場は、国の2030年住宅の性能を実現させた展示場です。