九州住環境研究会

No.249 新・省エネ基準開始後3ケ月の現状!
省エネ性能は、5年後の性能アップを見越してZEH水準、等級5以上で建ててください。
災害に遭遇しても、レジリエンス性(しなやかに復旧する)の高い、高性能住宅を建ててください。

2025年6月27日更新

災害時の避難先が自治体避難所から在宅避難に変わってきています。

南海トラフ大地震など、現在は大型災害の危機が迫ってきていることを行政がはっきりと語る時代になっています。防災マップなど、どの程度の災害で、どの辺りまで危険か、そのための危機回避は、個人の力量に委ねられる時代になっています。

これまでは、災害が発生した際には、自治体などが設定する避難所に身を寄せるのが一般的でしたが、最近は、在宅避難が注目されています。
建築基準法の「最低等級1」でも我が国の場合は、阪神淡路大震災クラスの震度6強・7では倒壊しない性能が求められています。
熊本大地震に際しても、震災直下でないかぎりは、耐震性能を満たす住宅の場合は、多くが倒壊などの被害を免れています。

在宅避難を行う場合は、住まいが安全な場所にあることの確認が必要です。平時に自治体のハザードマップなどを確認して土砂災害や浸水の恐れがないことを確認してください。

「レジリエンス性能の高い住宅」回復力の高いしなやかな対応力!

国が求めるレジリエンス住宅とは、被災した場合でも、速やかに日常生活を回復できる住宅です。災害時には、電気や水道などのインフラは、寸断される場合が多く、そんな場合でも太陽光発電や蓄電設備、太陽光発電からの配電設備があれば、災害時でも電力会社から独立して電力を使用することも可能になります。

災害に強い住宅は、おのずと資産価値の高い住宅になっている。

耐震性能や耐火性能は重要な要素ですが、住宅の強度は、機械力や設備によって守られる部分よりも、住宅そのものが持っているポテンシャル(潜在的な力)が重要です。その一つが住宅の「省エネ基準」で、省エネ基準には、主に2つの要素があります。

一つは「外皮基準」と言われる、屋根・外壁・窓などの断熱性能に関する基準です。二つ目は、「一次エネルギー消費量基準」で、住宅で使用するエネルギー消費量に関する基準です。「省エネルギー基準」は住宅性能において、多くのことを語ります。
省エネルギー基準の等級は、等級1〜7まであります。断熱素材が施工されていない寺院などの建物は等級1とし、現在は、等級4が義務化基準になっています。この基準は本年4月までは、我が国の最高等級でしたが、現在では守るべき最低等級になっています。これは、世界的な「省エネ基準」と比較した場合、あまりにも性能が低すぎることから世界水準に近づけるために引き上げられました。

2030年には新築住宅にエネルギー消費量が実質ゼロになるZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の省エネルギー性能の確保が求められます。省エネ基準が引き上げられると、古い基準の住宅は、資産価値が著しく低下します。
これから住まいを検討する場合は、5等級のZEH水準の住宅性能で建てる必要があります。

省エネ住宅の補助金制度、「子育てグリーン住宅支援事業」とは。

さらに政府によって「省エネルギ性能」は引き上げられ、ZEHと同様に再生可能エネルギーを含む1次エネルギー消費量の削減率100%以上であるとともに、ZEH水準を大幅に上回る基準を採用した「GX(グリーントランスフォーメション)志向型住宅」を設けています。

GX志向型住宅は、省エネ等級6という、高性能が要求され、現在の省エネ基準の4等級、ZEH水準5等級、の上の等級で、施工店にとってもハードルの高い「2050年の省エネルギー基準」と言われています。
九州住環境研究会では、現在の通常施工で等級6に近い施工を行なっていますので、性能的には「GX志向型住宅」で求められる要件に、多少のプラスで施工が可能です。
1戸あたり、160万円の補助金が受け取れますので、これから新築される方は、是非、「GX志向型住宅」についてのご説明もご要望ください。