2025年5月28日更新
本年4月から「省エネ基準」は、昨年までの最高等級4が、「最低等級」になり、5年後には、現在の等級5の「ZEH水準」が省エネ基準になります。その理由は、現在の等級4では、太陽光発電を搭載しても、温暖化防止効果が低いからです。地球温暖化に対応するためには、エネルギーの無駄を省くことが重要で、太陽光発電などで暖冷房エネルギーをはじめとする自家消費エネルギーを個々の住宅で賄うことができれば、温暖化防止も夢物語ではなくなるからです。
省エネ性能の高い住宅では確実にZEHが実現しています。表・1は、各住宅の省エネ効果です。6・7地域(鹿児島等)の戸建住宅の場合で、省エネ基準から「ZEH水準」に性能アップすると年間約4万6000円の節約効果、さらに太陽光パネルを搭載すると、年間約4万円の削減効果がうまれ、「省エネ基準」の住宅との差は年間8万6000円もの節約効果になります。
住宅ローンを利用して住宅を購入すると、年末のローン残高に応じて控除が受けられます。
例えば、省エネ基準を満たす住宅の場合、2025年の入居でローン控除の対象になる年末残高は、3000万円。控除率は、0.7%で控除期間は13年なので年間最大21万円、13年間で最大273万円の所得税や住民税が軽減されます。
省エネ性能の高い住宅は、さらに住宅ローン控除対象の残高がアップされて「ZEH水準」は3500万円太陽光パネル付き省エネ住宅では、4500万円。13年間に控除される税額は最大で「ZEH水準」318万5000円と「太陽光パネル付き」は409万5000円にもなります。
現在、変動金利型の金利は、0.9%程度ですが、固定金利型の「フラット35」は、1.94%が最も多いようです。その差は、1%以上もありますが、ZEH水準の住宅であれば、金利優遇が受けられます。
「フラット35」S(ZEH)の場合は、当初5年間の金利がマイナス1.0%引き下げ幅が拡大します。
仮に3000万円を金利1.94%、35年返済で借りた場合、返済額はボーナス返済なしで毎月9万9000円となります。
マイナス0.75%の金利優遇を受けると、返済額は毎月8万8000円になります。マイナス1.0の優遇を受けた場合は、毎月8万4000円まで軽減されます。この金利が5年間続くのでトータルの軽減額は前者が66万円、後者が90万円となります。
住宅ローン控除額や金利優遇による軽減額を貯蓄しておいて、繰上げ返済に利用すれば、返済総額を減らすことも可能になります。
国土交通省の「子育てグリーン住宅支援事業」では、新築の戸建て住宅を取得する場合「ZEH水準住宅」であれば、1戸あたり40万円、長期優良住宅であれば、80万円の補助金の対象になります。長期優良住宅、ZEH水準住宅の場合は、対象者が子育て世帯、または若夫婦世帯のいづれかが対象でしたが、環境省の「GX志向型住宅」であれば、1戸あたり、160万円の補助金が受け取れます。
GX志向型住宅は、子育て世帯に限らず全世帯が対象になります。GX志向型住宅は、省エネ等級6という、高性能が要求され、現在の省エネ基準の4等級、ZEH水準5等級、の上の等級で、施工店にとってもハードルの高い性能になっています。
九州住環境研究会では、通常施工で等級6に近い施工を行なっていますので、性能的には「GX志向型住宅」で求められる要件に、多少のプラスで施工が可能です。
高性能給湯器や高性能エアコン、高性能シャワーヘッド、太陽光発電の搭載など、指定されている要件を満たす必要がありますが、160万円の補助金は魅力的です。
もしも新築のご計画がある場合には、建築完成期限などもございますので、お早めに会所属の工務店にご連絡ください。詳しい内容と今回の応募に間に合わなくとも、次回のエントリーは可能だと思いますので遠慮なくご相談くださいますよう、ご案内申し上げます。