九州住環境研究会

No.231 住宅ローン「ミックス型」の検討!
変動型、全期間固定型、ミックス型など、住宅ローンの選択肢は、三種類あります。
金利の上昇が気になり、しかも住宅ローンの選択にも迷っている時は、基本に返る必要があります。

2024年9月27日更新

住宅ローンに迷ったら、変動型と固定型をミックスする選択肢も?

住宅ローンには、借り入れ当初の金利が完済まで続く「全期間固定型」と短期金利の動向に応じて「半年ごとに金利を見直す変動型」があります。短期金利の場合は、市場の景気判断によって金利が上下しますから、景気が悪いときには金利が安くなりますが、景気が上向くと金利も高くなります。直近の変動型の金利は大手行の最優遇金利で年0.3%から0.4%、ネット銀行の場合は0.3%以下の場合もあります。全期間固定型は住宅金融支援機構と民間銀行が提携している「フラット35」で年1.8〜1.9%台で推移しています。

日銀が政策金利を0.25%に引き上げたことに伴い、メガバンクや地方銀行、ネット銀行などが短期プライムレートを引き上げましたが、それでも現在、金利の低い変動型を選択している方が8割弱を占めています。 多くの金融機関は10月に基準金利を変更し、個人の信用力等を考慮して決める適用金利を上昇させる見通しです。

変動型と固定型をミックスして借りるミックス型は、現在では2割程度しかありませんが、メガバンクからネット銀行まで「変動型の金利引き上げが目立ち始めれば、ミックス型の需要が高まる」と予測しています。ミックス型は、1人の契約者が変動型と全期間固定型の金利タイプの異なるローンを組み合わせることで、変動型が半年ごとに金利を見直すため金利上昇で返済額が増えても固定型の返済額は変更しないので、変動型だけで借りるよりも金利上昇時の負担増を抑える事が可能になります。

無理の無い将来予測で、ミックス型の活用も選択肢!

総額4000万円を期間35年で2000万円ずつ、固定金利が年1.9%、変動型を当初0.4%で借り入れ、返済6年目と11年目に1.5%ずつ上昇すると想定した場合、ミックス型の月額返済は1.2万円で変動型の2.3万円よりも少なくて済み、11年目に金利が上昇してもミックス型の増加分は1.1万円と変動型の半分で納まります。返済総額でもミックス型は変動型を下回るのが図・3のシミュレーションの結果です。

住宅ローン全額を全期間固定型にした場合は、金利上昇による返済増は回避できますが、10年間の月額返済はミックス型よりも多くなります。
4000万円では、固定型の月額返済が13万円とミックス型の5年目までの返済11.6万円や10年目までの12.8万円を上回ります。金利上昇で変動型の返済額が増えても余力がある場合と家計が厳しくなる予測では、変動型と固定型の比率の工夫が必要です。

金利の動向は35年という長丁場では、簡単に予測できませんが、シミュレーションでは不利に思える「全期間固定型」が返済総額では有利になる予測です。ミックス型の選択でも、余力があるときに変動型の早期返済を行うなど、総返済額を圧縮する工夫で、有利なローンを組むことも可能になります。

新築計画がある場合は、九州住環境研究会にご用命ください。全力でお支え致します。