九州住環境研究会

No.201 50代からの住宅建築・ローン対策。
60歳定年も一般化し、全国的に50代で住宅を建てる人が増えています。元気な内のご計画をお奨めします。
定年退職まで15年、子育ても一段落して次は「終の棲家」をお考えの方も多いはずです。

2023年6月29日更新

50代の住宅建築は、一昔前は当たり前の事でした。

お勤めの場合50代は、最も収入が安定している時代かも知れません。建築残額は退職金で返済し,老後は借金無しで暮らしたい。以前の住宅建築は、そのような発想が一般的でした。しかし人生100年時代では、長い老後の生活設計が重要になり、手持ち資金があっても長期金利が低利な現在では、融資の活用が欠かせません。

住宅ローンは借入時の年齢上限が65〜70歳で、完済時期の年齢が80歳未満とする金融機関が一般的です。若い時代よりも返済が難しくなった場合には対応策が限られるので、資金計画は慎重に考える必要があります。返済期間を短くすれば、月額返済が大きくなり、長くすると当然、月額返済は少なくても、総返済額は大きくなります。

表・1は、その関係を示したもので55歳で2000万円を借りた場合のシミュレーションです。
仮に1.8%の固定金利で試算すると65歳までの10年間で返済する場合は、月額約18.2万円の返済額で総返済額は2200万円。70歳までの15年間で返済する場合は、月額12.7万円で総額2300万円、80歳までの25年間では、月額8.3万円の返済で、総額2500万円になります。
返済総額で比較すると10年と25年では、300万円の差になりますが、月々の返済は、長期返済が格段に楽です。

住宅アナリストは、返済額の差が50代の借り入れでは、その後の生活に大きく響いてくる要素であることを指摘し、「定年時の完済を目標にしてローンを組むと月々の返済額の負担が重くなり、老後資金の準備が遅れてしまう場合もあり、この時期は子供達の結婚や実家・兄弟との様々な付き合いもあり、予期しないお金が必要になる時期でもあります。

早期に借入金を返済したいという気持ちも分ります。が、金利負担よりも返済期間が長いという利点の方が勝る場合が多いようです。」とアドバイスしています。更に続けて「表・2は、50代の契約者の取得理由を調査した結果ですが、50代で住宅ローンを組む人がコロナ禍前の1年を約20%以上も上回っているようです。

その理由は住宅価格の上昇や住宅ローンの金利が低水準で借りやすいことと、子供の独立等、家族構成の変化で住み替える例が多く、購入金額の一定額をローンで賄いたいという需要も多いようです。

表・3のように、手持ち資金は貯蓄等で手元に残しておき、ご自分の条件を最大限に活用して、長期の借り入れにした方が有利な場合が多いようです。
予期せぬ最悪の場合でも月額8.3万円の支払いであれば、アパート代程度ですから安心できます。」と指摘しています。

収入がある間は、一定の条件で住宅ローン減税。

一定の収入がある間は、住宅ローン減税や様々な景気対策等の減税も利用できますし、住宅ローン契約者が死亡した場合には、民間の住宅ローンの場合は、団体信用生命保険への原則加入が義務づけられており、ローン残高の返済は免除されます。

また、返済期間は長期借り入れの場合は、短縮が可能ですが、短期で借り入れて、長期返済に期間延長することは非常に難しくなります。 住宅アナリストは「長期ローンを活用して、老後資金の準備に回すことを考えた方が賢明で、返済期間の設定や月返済額の設定には、安定している現状や目先だけではなく、50代以降の収入見通しを冷静に考える必要もあります。

会社員の年収が高い時期は、一般的には50代で55歳前後の役職定年以降は、収入が減るということを予測しておく必要もあり、どのような場合でも月々の返済は必要ですから、60歳定年で、収入が半減したり、大幅に減収する場合もありますから、収入が減っても預貯金を切り崩さなくてもよい金額、収入の25%以内に収めることが理想的で、同時に心がけたいのは、返済を続けなが退職するまでに貯蓄を続けて、ローン残高と同額程度の貯蓄を準備し、いつでも完済できる選択肢を確保することが大切です。
その為に重要なのは購入時の頭金で、物件価格の5割程度が一つの目安です。

50代は、仕事面でも脂の乗り切った時代ですが、病気のリスクも高まり、思わぬ出費や収入減にも備えなければなりません。老後資金とは別に予備費として300〜500万円程度の余裕資金があれば問題のない老後が送れます。」と解説していただきました。

九州住環境研究会は、皆様のご要望に応えられる資金計画・住宅建設で生涯住宅をサポートしています。是非一度、最寄りの展示場をお尋ね下さい。