2022年9月28日更新
前回は「ゼッチ」に対する税制上の優遇などについて解説致しましたが、今回は「ゼッチ」が及ぼす効果や実際にどの程度の普及率なのかについて皆様と共に考えて見たいと思います。
地球温暖化が危機的な状況に有り化石燃料由来の燃料に換わるものとして家庭電力では、太陽光発電が最も有望視されていますが、ロシアのウクライナ侵攻がその流れに拍車をかけています。
世界的には2030年までに化石燃料の使用停止が世界のコンセンサスになり、我が国でも「ZEH」が求められる時代になって参りました。
さらに自動車燃料も化石燃料から電気が主役の時代になり、EV(電気自動車)が世界のトレンドになりつつあります。
さらにそれに付随して今までは電気の保存方法は蓄電池しかなかったものが、EVそのものを蓄電池代わりに使えるような簡易的な蓄電方式が日本の技術として生まれています。
世界的には2030年のエネルギー革命がロシアのウクライナ侵攻で早まる可能性が高くなりエネルギー革命は確実に電力にシフトしています。
国の省エネルギー基準も電力の自給自足に舵を切りZEH基準を等級5に据えて最低基準に想定しています。
今までのZEHの弱点は住宅性能が悪すぎて、大手プレハブメーカー等の場合は、10KWの最大限の太陽光発電でも、その全てを暖冷房や空調などで消費してしまい売電などには回らない文字通りの自家消費発電でした。一般住宅の屋根に10kW以上の業務用太陽光発電を乗せて20年間の売電を確保する方式なども、搭載住宅では、インバーターや発電パネル等の設備の不具合や更新等で、当初の計画や思惑が外れた場合も多かったことがホームページ等でも公開されています。
しかし、全てが失敗例だった訳ではなく、普及のおかげで現在は太陽光発電の設備機器もかなり安くなっています。また効率も売電が開始された当初と比較すると確実にレベルアップしています。売電を気にする事なく、今こそ太陽光発電を安心して採用出来る時代になったと言うことです。
国が補助金などを使って普及を促すのはグリッドパリティ(Grid parity)を達成させるためです。グリッドパリティのGridは「電力網」を表し「parity」は「同等」を意味する英語です。太陽光発電等再生可能エネルギーの発電コストが、通常の系統(電力会社)の電力コストと同等になることをグリッドパリティの達成と言います。
達成により、コスト的なデメリットが解消されて普及が加速するためグリッドパリティを達成するまでは、各国とも補助金などを使って、導入コストの削減を計かり導入を拡大させて来ました。
我が国のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は家庭用電力並み23円/kWhを第1段階グリッドパリティに業務用電力並14円/kWhを第2段階グリッドパリティ、汎用電源並7円/kWhになることを第3段階グリッドパリティと位置づけています。ちなみに米国の基準は「太陽電池モジュール価格=1ドル(当時は110円程度)/W」の設定です。
我が国の現状は、家庭用の小売り電力については、第1段階のグリッドパリティに到達していると見られ、今後もコスト削減が続く見通しです。2010年のインセンティブは40円/kWhでしたが、2016年には18円/kWhと半額以下に削減されており、現在は業務用電力並14円/kWhの第2段階グリッドパリティ(電力会社のコスト)に到達していると分析されていたようですが、これはウクライナ侵攻の前の話で、現在の電力価格は27円/Wになっています。この価格は、冬を迎えて更に上がり続ける事が予測されています。
無謀なロシアの侵攻が地球温暖化という人類が招いた災難の解決を早める結果になったようです。
これからの住宅は電力の自給自足が可能なZEHを選択して下さい。九州住環境研究会の住宅は、通常工法でZEH基準を上回っています。住宅建築は未来を見つめる九州住環境研究会にお任せ下さい。