九州住環境研究会

No.17 樹脂サッシと複層ガラスの性能。シリーズ.2  複層ガラスのLow-E(特殊金属皮膜)とアルゴンガス

2010年12月01日更新

高性能住宅の要は、断熱・気密性能に優れた開口部の性能です。

Low-E+アルゴンガス入り複層ガラスは夏の強烈な太陽光を反射し、窓ガラスを通じて冷房熱を逃がさないために開発された、高性能複層ガラスです。Low-Eガラスの室外側に特殊金属膜を施工し、複層ガラスの空間に空気よりも比重が重く、対流を起こしにくいアルゴンガスを封入。外部からの日射熱をダブル遮熱効果で室内に入れにくくします。

冬は室内の暖房熱を複層ガラスで遮断し、外部に逃がさないので暖房効率が高まります。Low-E+アルゴンガス入り複層ガラスは特注スペックの、夏涼しくて冬暖かい理想の高性能複層ガラスです。高性能樹脂サッシに取りつけられて、壁面とも遜色のない高断熱・高気密環境を実現させています。

Low-Eガラスとは「低放射ガラス」ともいい、ガラスの内部表面に特殊な金属膜をコーティングした複層ガラスのことです。複層ガラスの室外側にコーティングした場合、遮熱性能が高まります。逆に室内側にコーティングした場合は、断熱性能が高まります。いずれの用途でもアルゴンガスを封入した場合は相乗効果で、夏季の日射遮熱効果を高め、逆に冬季は暖房熱を逃がさない優れた効果があります。

アルゴンガス(元素記号Ar)

主な気体の熱伝導率
アルゴン 0.0163W/mK
空気 0.0241W/mK
酵素 0.0245W/mK
窒素 0.0240W/mK
ネオン 0.0465W/mK
クリプトン 0.0093W/mK
空気の組成
成分 体積比 沸点(℃)
窒素 78.084% -195.8
酸素 20.948% -183.0
アルゴン 0.938% -185.9
二酸化炭素 330ppm -78.5
ネオン 18.2ppm -246.0
ヘリウム 5.24ppm -268.9
メタン 1.6ppm -161.5
クリプトン 1.14ppm -153.4
水素 0.5ppm -252.9
一酸化炭素 0.1ppm -191.5
キセノン 0.087ppm -108.1
・上表は水蒸気を除いた値であり、*印は変動する。
・ppmとは、1万分の1%の単位。