2010年08月30日更新
遮熱複層ガラスは、断熱性能に優れているばかりではなく、紫外線カットにも素晴らしい性能を発揮します。オゾン層の破壊による紫外線の被害は年々深刻になりつつあります。特に皮膚ガンなどの発ガン性が指摘されているからです。また、紫外線はメラニン色素を増やして肌を黒くする作用がありますから美容上も注意する必要があります。特に幼児など、皮膚がデリケートなうちは、紫外線の被爆から守ってあげる必要があります。窓は、温熱環境を守るばかりではなく、紫外線や騒音など自然や生活環境による様々な健康被害から、住まう人々を守る最前線の役割もあります。ただ、幼児には日光浴が欠かせません。それはビタミンDは日光浴によって造られるビタミンだからです。不足すると発育不全や、お年寄りなどは、骨粗鬆症の原因になります。 このような場合に頼りになるのは、有害な紫外線を有効な紫外線にまでUVカットしてくれる遮熱・高断熱複層ガラス+アルゴンガスです。九州住環境研究会で採用している開口部は、このように奥様の美容と子供達の健康を守る優れた窓です。
熱貫流率(W/m²K) | 日射熱取得率 | 可視光線透過率 | 紫外線透過率 | |
---|---|---|---|---|
単板ガラス(参考) 3mm |
6.0 | 88% | 90% | 70% |
ペアガラス 3-A12-3 |
2.9 | 78% | 82% | 56% |
(Low-E)ペアガラス 3-A12-③ |
1.6 (1.64)※2 | 40% | 70% | 12% |
アルゴンガス封入 (Low-E)ペアガラス 3-A12-③ |
1.3 (1.26)※2 |
40% | 70% | 12% |
アルゴンガス封入 (Low-E2層)トリプルガラス ③+A9+3+A9+③ |
0.9 | 32% | 53% | 3% |
上の表は、複層ガラスの断熱性能と紫外線などの透過率を比較したものです。参考に従来、一般的に使用されてきた単板ガラスを掲載していますが、遮熱高断熱(③Low-E=3ミリガラスにLow-E皮膜を貼ったガラスという意味)ガラスの優れた特徴について理解していただけるものと思います。可視光線透過率は若干低くなりますが、日中の明るさには全く問題のない範囲です。ガラス性能は年々向上し、トリプルガラスなどは、サッシに装着した場合よりも性能的には優れています。紫外線透過率は3%と紫外線の遮蔽効果にも優れています。すでに、その上の性能を持つものとして、真空ガラス等も開発されています。Low-E皮膜とアルゴンガスについては、次回ご説明することに致しましょう。