2020年12月25日更新
新築住宅をご希望のお客様の中には、第1種換気が第3種換気よりも優れていると思っている方が多い様です。しかし本当に第1種換気は優れているのでしょうか?
他の施工店では、今時、第3種換気等、遅れていると言われるようですから、無理もありませんが、第1種換気で全熱交換が主流の国は、我が国しかありません。欧米では第3種換気が主流で、第1種換気を選択した場合は「顕熱交換」が選ばれます。
図の①は第1種換気の模式図ですが、立派な換気装置が設備されているのに窓を開けて換気しなければならないのは、一カ所づつ付いている給気と排気口の口径が10〜15センチしかないからです。建築基準法の2時間に1回の換気はクリアーできても給気と排気の10センチの口径では、圧倒的に自然空気の流入が少なく窓を開放した方が確実な換気が素早くできるからです。
更に災害などの停電時には、新鮮空気は10センチの給気口一つですから、気密性能が高い住宅では、酸欠になってしまいます。台風の時でも停電になったら窓の開放が必要になります。更にコロナ禍で全熱交換を使用する危険性で、熱と共に水蒸気が交換されますが、水蒸気の中にウイルスが潜んでいる危険性を考えたら、お奨めできません。
「顕熱交換」はアメリカの在郷軍人病(ウイルス感染)やスウェーデンの感染症が発端で開発され、欧米では第1種換気は熱だけを交換する「顕熱交換」が主流になりました。
②の第2種換気は、手術室など感染症を防ぐために開発された換気装置で、一般住宅には使用例は少ないものの、半導体工場などで塵の防止のために採用されています。身近なところでは、給食センターなど、外部からの細菌の侵入を防ぐために採用され、更に、臭気排出のために牛舎や豚舎・鶏舎などでも採用されています。
第3種換気は気密性能が悪い住宅に設置してもほとんど働きません。大手ビルダーが第1種換気を選択するのは、この気密性能がクリアーできないからです。
大手のC値(気密性能)平均2センチ(1平米当たり)では、隙間が大き過ぎ、給・排気共に10センチの第1種換気を選択するしか選択肢が無いというのが実情です。更に問題になるのは、この第1種換気装置に冷暖房装置をドッキングさせる空調設備の存在です。第1種換気の給気口が冷暖房エアコンなどに連結され、新鮮空気がエアコンを通じて給気されたり、室内の空調空気がエアコンで再循環されるシステムなど、空気質を考えたら許されないような装置もあります。このような装置は、暖冷房中も窓を開けて換気を行わないと危険です。
省エネルギーの為に取り付けた設備がコロナ禍では逆に、常に自然換気が必要な危険な設備にも成りかねないので注意が必要です。
九州住環境では、地球環境汚染に対応できる住宅システムの開発を行ってきました。その為に循環空調という優れた省エネルギーシステムを開発し、給気口には「帯電フィルター」を設置するなど様々な工夫により、循環空調の空気清浄を「磁気式空気清浄器」で行うなど、様々な技術開発を続けて参りましたが、この度のコロナ禍にも、その全てが対策として当てはまり、給気は「帯電フィルター」で、安全性を高め室内の循環空調は、「磁気式空気清浄器」で空気清浄を可能にするなど、コロナ禍では最強のシステムを構築することができました。
これからの住宅は、百年の長寿命が必要です。その為には、断熱・気密・高耐久性能など、基本的な性能が最も重要です。高額な空調設備やではなく、安価に交換可能な単純で効果的な設備が重要になります。今後共、常に最先端の技術力で応える、九州住環境加盟工務店にご期待下さい。