九州住環境研究会

No.131 コロナ対策②「軽減策・総負担額」で判断!
コロナ禍で住宅ローン返済に困っても、対策がありますから大丈夫です!
住宅ローン返済に困る人が増えていますが、金融機関もしっかり対応しています。

2020年7月29日更新

ご夫婦の収入合算でローンを組まれている場合!

色々なケースが考えられますが「自営業の夫と会社員の妻との収入合算で住宅ローンを組んでいる場合。新型コロナの影響で夫の収入が急減し、月10万円の返済が厳しくなった。」このようなケースは、全国的にたくさん発生しています。
金融庁の調べでは、3月始めから5月末までの3ヶ月間だけでも、全国の銀行に返済負担の軽減のための条件変更申し込みが1万4000件にのぼり、全国各地の金融機関は前向きに相談に応じる姿勢で、5月末まで実際に負担軽減が行われたのは、550件以上で、その中で断られたのは、コロナ禍以外の問題を抱えた50件と報告しています。

このようにコロナ禍に対して金融機関は、自然災害に匹敵する対応を行っています。さらに住宅ローンの延滞に伴い通常は、「信用情報」に記載されるため、自動車など新たなローンが借り難くなりますが、今回のコロナ禍に対しての負担軽減については、各金融機関とも原則として「信用情報」に残さないことにしています。

店頭での手続きの他に、ネットでの受付も可能に。

条件変更の受付については、店頭の他にネットでの受付も可能な金融機関もあります。さらに条件変更の手数料についてもコロナ禍の返済負担軽減では、原則無料の対応を行っている金融機関も多いようです。

具体的な返済方法については、2つの方法が考えられます。それは下図、1の返済期間を変えずにコロナ禍の一時期だけ返済を軽減してもらう方法、2の返済期間を延ばし、完済まで軽減する。という方法があります。

一般的には、①毎月の返済が完済まで同じ額になるように計算し、元金と利息を払っていく方法と、②最初は利息を多く支払い返済が進むにつれて元金の支払いを増やしていく方法です。

①は完済までの期間は変えず、毎月の返済額を一時的に引き上げる方法で、住宅金融支援機構の「フラット35」は原則、最長3年まで減らせます。民間銀行独自ローンの場合は、半年〜1年ほど軽減し、状況次第で再び相談に応じてもらう事になります。
元金の返済を最大で全額もってもらえますが、その際も利息は支払うことになります。返済の軽減期間を限っているため、完済までの利息負担があまり増えず、総返済額がそれほど膨らまない利点があります。半面、軽減期間が終わると、当初の計画よりも多く残っている元金を基に毎月の返済額を計算し直すため月々の負担が増えることになります。

②は、返済期間を延ばして、完済するまで毎月返済額を軽減する方法です。月々の負担額は一定になりますが、返済ペースは遅くなるため、利息を長期的に払い続ける事になり総返済額が膨らむことになります。

A 毎月返済額の主な見直し策

延長期間には、期間制限と年齢制限があります。

この二つの方法で総返済額はどれくらい違うのでしょうか?
10年前に3000万円を35年返済、年利2%で借り、毎月の返済額を約10万円から8万円に減らしたいケースでは、最初の方法で軽減期間を2年間にすると、その後に毎月の返済額は約2000円増えることになります。総返済額の増加は、約13万円にとどまります。

一方、完済まで約8万円に減額すると、返済期間を8年半のばす必要があります。こに場合、返済総額は、約240万円に膨らみます。さらに注意しなければならないのは、完済が遅れて、老後にローンを抱えるリスクです。一般に50代半ばからは給料が減りますから返済が長引けばリタイヤ後の生活に影響が出ます。
フラット35の返済延長は、最長15年で、年齢80歳までとなっています。ネット銀行の中には、返済開始から35年を超える延長は出来ないところもあります。

返済負担の軽減でその後の毎月返済額や総返済額がどのくらい増えるかは、ケースバイケースです。残高や完済までの期間、借入金利等を基に銀行で試算してもらう方が賢明です。
住宅ローンのボーナス払いが厳しい場合は、返済を猶予していただいて将来のボーナス時に上乗せするか、毎月の変や胃をボーナス分増やすのが主な方法になります。但し「返済負担の軽減はあくまでも緊急避難の対策」であることを忘れてはいけません。

コロナ禍は、永遠には続きませんが、いつ現状が好転するかは誰にも分かりません。節約できる部分を見つけて、支出を見なお史、収入を増やす方法を考えるべきです。
そのときに最も頼りになるのは、住宅性能です。本物のZEH(ゼロ・エネ・ハウス)、循環空調など経費のかからない住宅は、このような不確かな時代にこそ大きな力を発揮し、お施主様のお力になれます。
今後とも九州住環境研究会参加工務店を宜しくお願い致します。