九州住環境研究会

No.209 住宅ローン、金利上昇動向の予測。
円安に苦しむ物価高の中で、日銀の長期金利も1%に近づき金利上昇機運が高まっています。
住宅価格の上昇を背景に、住宅ローンの借入方法の選択が重要になっています。

2023年10月25日更新

日銀が政策修正に動くと住宅ローン金利はどうなる?

住宅ローンの金利タイプは、大別すると金利を半年ごとに見直す変動型と最初から最後まで金利が変わらない固定型の2つがあります。固定型は長期金利に連動し、変動型は短期金利に連動しています。日銀は現在、短期金利をマイナスに誘導し、長期金利の上限を1%とするなどの長期、短期金利の金利操作を行っていますが、石油などの輸入物価の値上がりで、現在の円安誘導は限界に近づいているものと考えられます。

日銀が長期金利の変動許容幅を拡大したり、上限の撤廃で長期金利が上昇すると新規の固定金利は上昇します。既に長期金利を利用している方には影響は有りませんし、変動型も長期金利だけの上昇では影響は少ないものと考えられます。

問題は、日銀が短期の政策金利を見直す場合で、仮にマイナス金利を見直し、ゼロ金利政策に移行したり、ゼロ金利政策から政策金利をプラス圏に引き上げたりする過程で長期金利が上昇すれば、固定型は当然上昇しやすくなりますし、変動型の金利はマイナス金利政策の解除以降は、政策金利にほぼ連動して動く可能性が高く、ほぼ確実に上昇します。

長期にわたって確実に返済が続けられるか検討が必要?

具体的には、まず購入する住宅の価格に応じて、借り入れ希望額を決めることが出発点となります。ファイナンスプランナーのアドバイスでは、「物件価格は世帯年収の5〜7倍が一つの目安。」と助言しています。物件価格から自己資金(頭金)を差し引いた金額が住宅ローン借り入れ希望額となり、返済にゆとりを持たせる場合は、価格が年収の5倍以下の住宅の建築を選択するのも一案だとアドバイスしています。

建て主自身の年齢による考慮も必要になります。

高齢になったからと、いって住宅が建てられないわけではありません。モゲージなど、高齢者向けの融資もあります。 近年の傾向は。若年者の住宅取得が増えていることで、金利上昇をいち早く察知している方もいるわけです。この場合は固定型であれば、家賃程度で住める住宅を建て、将来の住み替えまで考えている若者もいます。高性能住宅を中古物件で売るという、戦略的な考えの若者には「フラット35」は、大きな恩恵を与えています。住み替えは我が国でも、これからのトレンドになります。その先駆けです。

中高年の場合、年金生活に入ると一般的に収入が減り、限られた資金で老後の生活をやりくりすることになりますが、退職金を繰り上げ返済などに充てる場合も多くなりますが、少なくとも老後資金に支障をきたさない金額が基本です。例えば65歳の退職時にローン算高が多くならないように借入額を検討する場合には「全期間固定」型で計算することを勧めます。

例えば住宅支援機構が手がける全期間固定型「フラット35」で現在、最も多い金利は年1.8%となっています。3500万円を35年で返済する場合、毎月の返済額は約11万3000円になります。同じ金額を35年返済の変動金利の0.5%の場合は、毎月の返済額は約9万1000円です。足元で固定型の金利が上昇する中、新規で住宅ローンを組む人の8〜9割は変動型を選んでいます。

但し将来、金利が上昇すると変動型は返済額が増すため高い金利で借りる場合の負担額を把握しておきたいものです。また会社員ならボーナスを返済に充てない前提にしておくことも重要です。ボーナスは勤務先の経営状況に左右される可能性があるからです。

更に月額返済が家計にとって無理のない金額である必要があります。判断の目安は毎月の返済を続けながらも一定程度の貯蓄を確保出来ることで、ライフステージの変化に伴う支出の増減でケースバイケースですが「月収の10%程度が貯蓄の目安」になります。
余裕がある場合には、変動型や固定期間選択型を余裕が乏しい場合は「全期間固定型」が選択肢になります。

将来の金利リスクを負わないことで、上昇機運の金利の心配が少なくなるからです。住宅の建て方も平屋や総二階を選択するなど、皆様にマッチする様々な方法があります。

詳しい内容は、九州住環境研究会にご相談下さい。必ず素晴らしい回答を差し上げます。