九州住環境研究会

No.113 賢い住まいづくりセミナー2019
ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2018 特別優秀賞・優秀企業賞受賞記念講演
主催 九州住環境研究会

2019年7月23日更新


「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」の受賞記念講演として、坂本審査委員長を招請して【賢い住まいづくりセミナー2019】を鹿児島市で開催致しましたので、その内容の一部をお伝え致します。

講師:東京大学名誉教授・国立研究開発法人 建築研究所前理事長 坂本 雄三 氏

第1部 特別記念講演「住宅のグリーンイノベーション」

日本の温熱環境研究の泰斗、坂本東大名誉教授を迎えて。

坂本雄三東京大学名誉教授は、2017年まで、国立研究開発法人『建築研究所』理事長を務められた、住宅建築業界・温熱環境研究の第一人者です。松下孝建設が所属する九州住環境研究会の顧問もお引き受けいただき、松下孝建設の「ハイブリッド・エコ・ハートQ」の基礎工法開発にも尽力していただきました。
また、住宅の温熱環境の優劣を競う、一般財団法人『日本地域開発センター』が主催する「ハウス・オブ・ザ・イアー・イン・エナジー」の審査委員長でもあります。現在は、一般財団法人『日本建築センター』顧問、民間の全館空調システム『YUKAKOシステム研究会』の会長を務められるなど、国や業界の要職を歴任されると共に、現在も、第一線で活躍される研究者です。
九州住環境研究会・松下孝建設は、現在の工法及び建築物の評価を仰ぐ為に、早くから坂本名誉教授を招請していましたが、この度ようやく実現できました。

松下孝建設の建設現場と「和楽」展示場の案内。

講演会の前に、坂本名誉教授に、現在進行中の建設現場を松下孝建設の山田部長が案内し、松下社長が「和楽」展示場を案内しました。施工現場では、松下孝建設の「ハイブリッド・エコ・ハートQ」工法の一貫した施工体制に、「さすが『ハウス・オブ・ザ・イヤー大賞受賞』工法だけあって合理的な施工法ですね」と評価して頂きました。
「和楽」展示場でも、デザイン性と共に、住宅性能の確かさに対して「この住宅は首都圏でも十分に通用するデザイン性と性能を備えていますね」と好評価を頂きました。坂本先生は、松下社長と共に、しばし『エコ・ハートQ工法』開発当初の話題で旧交を温めると共に、これからの住宅は、省エネルギーは勿論のこと、NEB(ノン・エナジー・ベネフィット「省エネ以外の便益」)が必要であり、そのためには、空気を循環させる「全館空調」等の室内空気の循環が重要であることなどを話されました。
松下孝建設は、坂本名誉教授が会長を務められている「ユカコ研究会」に所属しており、現在、独自の『循環空調』システムを開発し、新築住宅に随時、搭載を開始すると共に、リフォーム対応も考えています。

住宅のグリーンイノベーション(政策と技術の動向)

坂本名誉教授の講演内容の住宅のグリーンイノベーションとは、地球温暖化・防止の手段として、化石燃料(石炭・石油等)の使用を極力少なくするために、太陽光発電や風力発電など、クリーンエネルギーを増やし、環境負荷を掛けない温暖化対策として、ZEHや住宅の高性能化など、様々な方法が考えられ、実践の様子が紹介されました。
特に①省エネルギー、②創エネルギー、③長寿命住宅・建設④材料・工法の二酸化炭素削減・木造化、等と共に、森林資源の活用を促す、木造住宅の振興・促進に関する政策等、地球環境を保全するための抜本的な対策に踏み込む、政策等が紹介されました。

希望者には、講演内容のDVDを差し上げます。

坂本名誉教授の講演に参加できなかった方で、内容に興味を持たれた方は、松下孝建設まで、講演内容のDVDをご請求ください。  また「和楽」展示場に興味があり、詳しく解説して欲しい方は、お問い合わせフォームかフリーダイヤル 0120-079-089にて、見学ご希望をお知らせください。ご希望の日時をご指定いただければ、ご案内させて頂きます。

第2部 省エネルギー時代、令和に求められる住宅づくり。

第二部は、坂本名誉教授の講演、参加者の質問をお受けすると共に、案内した松下孝建設の施工中の現場と『和楽』に対する感想を話していただきました。更に、令和という新時代を迎え、住宅建築に求められている課題について、松下孝建設の池田俊秀と九州住環境研究会の齋藤恭誠が坂本名誉教授に、補足質問をさせて頂きました。

「省エネ基準」の行方と求められる住宅性能。

我が国の「省エネルギー基準」は欧米の省エネルギー基準と比較して、あまりにも低レベルで、2020年にようやく義務化が開始されることになっていましたが、現状の「省エネルギー基準」の実施率が半分にも満たないと言うことから、義務化実施の見送りが決定しました。
それについて坂本名誉教授は「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック」の実施状況等から、地方の工務店の技術力は大幅に上がってきています。既に断熱・気密施工の技術は大手プレハブメーカーを凌駕しているとも言えます。確かに国の基準は、低すぎるとも言えますが、我々が行っている啓蒙活動は、住宅建築業界の底上げを担っていることで、近年、応募総数も倍々ゲームで増えています。あと何年か後には、形を変えて、次の一歩を踏み出さなければならないと考えています。皆さんの団体のような、民間の中から、声を上げていくと言うことも大切なことだと思っています」と答えられました。

民間基準「HEAT20」 とユカコシステム研究会。

松下孝建設や史幸工務店も賛助会員になっている「HEAT20」は、民間団体の「省エネルギー基準」を推進している団体ですが、坂本名誉教授は「HEAT20」の委員長でもあります。
また「ユカコシステム研究会」は、坂本名誉教授が会長を務める全館空調推進の民間団体で、各工務店が実施して成果が上がった工法を持ち寄って研究・検証する団体です。坂本名誉教授は、温熱環境を強化しても、空気の循環が行われないと部屋間に温度差が出来てしまう為「HEAT20」の断熱性能と「全館空調」システムの融合が必要と考えておられるようです。松下孝建設も「ユカコシステム研究会」に所属しており、「循環空調」システムの開発を行っています。
「循環空調」システムに興味のある方は、是非、松下孝建設のにご相談下さい。詳しい内容をお知らせ致します。

坂本名誉教授の講演会を終えて。

一般の聴衆の方には、難しい内容でしたが、最後まで真剣にお聞き下さいました。我が国の温暖化対策やエネルギー行政など、これから始まる未来の行方が語られていたからか、真剣にお聞き頂きました。
「九州住環境研究会」は、今後も南九州の住環境を快適にするため、様々な工法開発や住宅性能の向上を目指して活動して参ります。会員工務店は各地域で各々、最善の活動をしています。松下孝建設は、鹿児島の地場工務店として、地域ナンバーワンの高性能住宅を目指し、これからも、誠心誠意、努力して参ります。