九州住環境研究会

No.39 5%の現行税率は9月30日まで。
いよいよ消費税の値上げが、切実な段階に入りました。
消費税値上げの経過措置として6ヶ月前までの契約締結で消費税5%!

2013年3月15日更新


現行5%適用は軽減処置の適用で9月末契約完了まで。

来年4月1日以降は、8%の消費税が適用されますが、住宅新築・取得に対する経過措置として本年9月30日以前に契約締結済みの場合は現行の税率5%が適用される事になりました。いよいよ住宅建築においても消費税対策を考えなければならない段階に入ってきました。
ただし、この経過措置で融資を受ける場合は、今後の消費税8%・10%で適用となる住宅ローン減税の控除額引き上げや消費税増税に伴う給付措置の恩恵は受けられないので、注意が必要です。
政府の税制改正大綱では、消費税の引き上げに伴う住宅取得対策とは別の観点から、住宅の新築や取得時の負担軽減を図るために新築・取得時に不動産登記に必要な登録免許税の軽減税率適用を2015年3月までの向こう2年間、延長することも決まっています。

消費税増税に伴う軽減税率の内容。

■登録免許税の特例税率の2年延長
所有権の保存登記 本則0.4% → 軽減税率0.15%
抵当権の設定登記 本則0.4% → 軽減税率0.10%

軽減税率の内容は、上表の通りです。
国土交通省の試算では、新築住宅を2千5百万円で取得した場合、所有権保存登記の登録免許税は1万5千円で本来の税率4万円に比較して2万5千円の軽減効果。
また、1千5百万円借り入れた場合、それに対する抵当権設定登記の為の登録免許税は1万5千円で本来の税額6万円に比較すると4万5千円の軽減効果になるということです。これらを2つ合わせると軽減効果は7万円と見込まれています

住宅の新築・取得に関しては金利差も考えに入れておく。

金利差の0.1や0.2%程度の差は月々の返済額ではあまり大したことのないように感じられますが、総返済額になってきますとその差は、かなり大きなものになります。例えば、3千万円借り入れた場合0.1%の金利差でも総返済額では、55万~58万円の差になります。この差は、価格2千万円の住宅を取得した場合、消費税額が5%から8%に引き上げられたのと同じくらいの差になってしまいます。 下表は長期固定金利型の住宅ローン【フラット35】(住宅取得支援機構)の活用を前提に一定条件の下で試算した返済額の例です。
アベノミクス以来、長期金利が上昇機運に転じてきています。返済期間が21年以上にわたる貸付金の固定金利にも引き上げの動きが見られて来ました。
消費税の値上げと共に、金利の上昇というダブルパンチになる恐れも出てきましたので、総返済額に対する金利差の影響は益々無視できなくなります。
今までの例では「長期優良住宅」などに対する金利の優遇策などがありましたが今後も2020年に向けて省エネルギー性能の義務化や「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」などの推進・対応に対する金利や税制の優遇策が出てくるものと考えられます。
マイナス面では炭素税などの環境対策も考慮しなければなりません。
住宅を新築するのであれば、より省エネルギー性能の高い住宅を選択することが最も重要になります。これからの高性能住宅はエネルギー消費を削減する他、住宅経費も稼いでくれます。詳しい事情は松下孝建設へお気軽にお尋ね下さい。

■わずかな金利差でも総返済額には大きな差
  1000万円 1500万円 2000万円 2500万円 3000万円
借入金利 毎月返済額
(円)
総返済額
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毎月返済額
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総返済額
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毎月返済額
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総返済額
(円)
毎月返済額
(円)
総返済額
(円)
毎月返済額
(円)
総返済額
(円)
2.0% 3.7万 1331万 5.6万 1996万 7.4万 2662万 9.3万 3327万 11.1万 3992万
2.1% 3.8万 1349万 5.7万 2024万 7.5万 2698万 9.4万 3372万 11.3万 4047万
2.2% 3.8万 1367万 5.7万 2051万 7.6万 2734万 9.5万 3418万 11.4万 4101万
2.3% 3.9万 1386万 5.8万 2078万 7.7万 2771万 9.7万 3464万 11.6万 4156万
2.4% 3.9万 1404万 5.9万 2106万 7.8万 2808万 9.8万 3510万 11.7万 4212万
2.5% 4万 1423万 6万 2134万 8万 2845万 9.9万 3557万 11.9万 4268万
2.6% 4.1万 1442万 6.1万 2162万 8.1万 2883万 10.1万 3604万 12.1万 4324万
2.7% 4.1万 1461万 6.1万 2191万 8.2万 2921万 10.2万 3651万 12.2万 4381万
2.8% 4.2万 1480万 6.2万 2219万 8.3万 2959万 10.3万 3699万 12.4万 4438万
2.9% 4.2万 1499万 6.3万 2248万 8.4万 2997万 10.5万 3747万 12.5万 4496万
※「借入期間30年」「元利均等返済」「ボーナス返済なし」の条件で、住宅金融支援機構がホームページ上で提供する長期固定金利型の住宅ローン【フラット35】のローンシミュレーションを用いて試算〈日経新聞13・2/15〉