九州住環境研究会

ハイブリッド・エコ・ハートQ

シックハウスの有害物質。

ホルムアルデヒド
■ホルムアルデヒド吸引時の身体症状
暴露量 症状
0.5ppm 明らかに臭気を感じる
1~2ppm 目や鼻への刺激が起きる
5~10ppm 強い刺激を感じる
10~20ppm 涙、セキが出て深呼吸が出来なくなる
50~100ppm 深部気道障害や炎症を招き死亡することがある

ホルムアルデヒドは、我々の身の回りでたくさん利用されています。例えば、フェノール樹脂、 ユリア樹脂、メラミン樹脂、農薬、合板類、脱臭剤、写真用品、消毒剤、防カビ剤などです。 室内の発生源は、これらを使った各種の建築資材、事務機、家具、衣類など多種多様になっています。
ホルムアルデヒドの人体への直接影響は、皮膚疾患や気管支炎、喘息などがあり、 慢性影響では肺活量の減少など呼吸器系へ及んでいます。ホルムアルデヒドは通常35%~38%の濃度で 水に溶かして市販されています。皆様が消毒液として最もポピュラーに知られているホルマリンの事です。

住宅内に発生する有害物質のなかで、最も問題になるのが建材の接着材や合成樹脂に含まれる ホルムアルデヒドです。ホルムアルデヒドの身体に及ぼす影響は、喘息などでは、 0.25~0.5ppmの被爆量で発作を起こし、常に基準値以上のホルムアルデヒドを吸収していると アレルゲンになったり、発ガン物質になってしまいます。

ホルムアルデヒドの室内基準は日本では、明確に定められておらず、 労働環境基準で0.5ppmとなっているだけです。海外では厳しい室内基準が決められていて、 0.1ppmと日本よりずっと低くなっています。日本も数年内に海外並みの厳しい室内基準が 設けられる動きがあり、厚生省の「健康住宅関連基準策定専門部会」の化学物質小委員会が 提示した指針値では、0.08ppm以下とされています。化学汚染物質アレルギーの人々が 急増している現実を見極め、可能な限り、安全な素材を使用しなければなりません。

ホルムアルデヒドとはどんな物質か?

ホルムアルデヒドとは水素H、炭素C、酸素Oから成り、分子構成はHCHOで製造方法は、 メチルアルコールから工業的に製造されます。ホルムアルデヒドはきわめて化学反応が強く、 尿素、フェノール、メラミンなどと化合し、接着剤の基となる、ユリア樹脂、フェノール樹脂、 メラミン樹脂となります。木材の接着剤、パーティクルボ一ドの結合材、コンクリートの高性能減水剤、 屋内用アミノアルキド樹脂塗料の原料などとして、建築に多用されます。条件によっても異なりますが、 ホルムアルデヒドを含む建築材料を使用した新築住宅の空気中のホルムアルデヒドの濃度は、 初期に高い数値を示し、日数の経過とともに減少し、2~6週で初期の3分の1に、 約90日でほぼ一定値までさがりますが、長期間経過しても室内空気中のホルムアルデヒドが まったく無くなることはありません。それは、接着剤に使用されている場合には、未硬化のものが揮発し、 遊離ホルムアルデヒドとして室内に充満します。これが新築病の原因となるものです。 更に建材に使用されたホルムアルデヒドが建築後に加水分解を起こし、いつまでも放散を繰り返すもので、 これを潜在ホルムアルデヒドと呼びます。これが消えるまでは、 少量であってもホルムアルデヒドの被害は無くならないのです。

塗料
塗料に含まれる有害有機溶剤も注意が必要。
■ホルムアルデヒドの室内基準
アメリカ 0.2~0.5
デンマーク 0.12
スウェーデン 0.1(新築)
オランダ 0.1
ドイツ 0.1

参考:ホルムアルデヒド 労働環境基準
[日本 0.5(産業衛生学会)]

室内の壁、天井に使う塗料の溶剤として使用されているトルエンやキシレンなども身体にとって有害な物質です。
塗装面積が広いことや、木部まで深く染み込むため揮発性物質が、いつまでも残留し日数がたっても なかなか室内から無くなりません。塗装材料は、食べても安全な食品衛生法をクリアした塗料が たくさん発売されていますので、できるだけ安心な塗料を使用することが必要です。


ホルムアルデヒドより恐いラドン。

ホルムアルデヒドよりも恐い物質として最近注目されているのが、土中から発生するラドンです。 ラドンはウラニウムが崩壊する過程で発生するもので土壌中に発生し、一部建材にも含まれている 希ガスに属する天然放射性気体元素です。ラドンガスの濃度は、地表面で0.1~10(平均3)ベクレル(Bq/m³) 程度ですが希に高い濃度を記録する場所もあり、一定ではありません。 密閉された室内や地下室で濃度の上昇がみられます。ラドンの人体影響は低濃度の長期被爆で、 肺がん・鼻腔がん等が問題となっています。

換気を計画的に行うことで室内の有害物質の排除が可能です。

ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物(VOC)に対する有効手段は、それらをなるべく含まない建材を 使用することと共に、計画換気が重要です。VOCは、自然素材である木材からも発生しています。 それらをアレルゲンとする方々は、いかにノンホルム素材の中にいても症状が現れてしまいます。 解決策は、計画換気で新鮮空気と汚染空気とを入れ替えることしか方法はありません。 特に性能が高い高気密住宅では、計画換気は不可欠のものです。

換気を計画的に行うことで室内の有害物質の排除が可能です。

高気密住宅で必要とされる換気量の目安は、必要換気量0.5回/hを満たす事が出来れば、 許容濃度くらいまで緩和できます。この場合は、JASにおけるF2(平均5.0mg/l以下・最大7.0mg/l以下) クラスまでの建材を使用した場合でありF3クラスの建材を使用した場合には、 換気システムだけでは不十分です。

VOCに関しては、個人の体質の問題もあり、一般の人では反応しない濃度の化学物質であっても、 過敏に反応する超過敏症体質の人もおり、 見た目だけや過去の症例だけでは判断できません。
このため「ハイブリッド・エコ・ハートQ」では、できる限りノンホルム素材を使用し、 それ以外でも高品質のFl・EOクラスの建材を使用しています。